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インクジェット印刷の市場動向について

平成15年3月14日に熊谷市の埼玉県工業技術センター北部研究所
にて 開催された繊維業界向けの技術セミナー資料より    
※文章中の価格は 講演当時の参考価格(税別)です。          


株式会社サンリュウ  飛田常司            

 平成10年に2億枚(全発行枚数の約4.8%)だったインクジェット用年賀状は、
平成14年用には約6倍、11億8千万枚が発行された。パソコン・プリンタの高性能
化・低価格化、デジタルカメラ・画像処理ソフトの普及が理由だった。業務用大型
プリンタを使用した昇華転写業界でも同様の変化が起きている。上記理由のほかに、
看板業界ではその品質が、スキーボードやアパレル業界では多品種少量生産への適
性が高く評価されたこともこの変化を促進した。当社の販売する関連消耗資材の販
売量も、三年間で14倍と大きく伸びている。                 


1.デジタルプリントシステム                       
1)プリンタ                              
 静電トナー方式、インクジェット方式、溶融型熱転写方式、エアブラシ方式 
2)RIP                                 
 ドライバ、ソフトリップ、ハードリップ                 
3)後処理機                              
 ラミネ−タ、加熱コンベア、熱転写機(平台、輪転、真空)、スチーマ、洗浄機
4)消耗資材                              
 インク、転写紙、加工素材、下紙、ラミネートフィルム          



2.インクジェットの種類                         
1) ピエゾ(EPSON、Roland、ミマキ) とサーマル(HP、ENCAD、キャノン)
2)水性、油性(セイコー電子工業),溶剤(武藤工業、Vutec)UV硬化(Zund)
3)デスクトップ、業務用大型、マンモスプリンタ(Vutec、Nur、Sitex)  
4)ロール供給、フラットベッド(Inca、TampoPrint )          

FJ-540
ピエゾプリンタの一例 Roland FJ-540プリンタ



3.インクジェット捺染印刷                       
3-1.用途                               
1)宣伝幕(のぼり、バナー、横断幕、タペストリー、)         
2)フィルム(電飾、シースルー、ポスター)              
3)板材(金属塗装板、FRPボ−ド)                   
4)アパレル(スポーツウェア、水着、はっぴ、ブラウス)        
5)小物(T-シャツ、マグカップ、皿、楯、布貼りマウスパッド)     
6)商品(スキーボード、めがねフレーム、携帯樹脂カバー、タイルカーペッ
ト、鍵)                            

3-2.分散染料とその他染料                       
 当社の関与しているシステムは分散染料印刷システム。従って、上記用途が100%。
高速システムで反応性染料などを扱う会社の用途は、アパレル・インテリア・車内
装繊維用途が多いと思われる。(3月から、当社もスチーマを使用した直接印刷シ
ステム販売に参入する)                          



4.世界の繊維市場規模                          
 世界の繊維印刷面積は、年間 300億平方m 繊維小売市場規模は、年間24兆円と
いわれている。このうち、ヨーロッパとアメリカがそれぞれ11%ずつ、東アジア
地区は 50%を占める。(Aprion Digital社 2002.10月セミナー資料から)   



5.繊維印刷市場の状況                          
下記のような変化を望まれている。                   
1)消費者志向の多様化                         
2)生産ロットの小型化                         
3) 市場要望への対応の迅速化                      
  サンプルから生産までのリードタイム(従来手法3〜5週間、デジタル2,3日)
4)在庫量と停滞コストへの関心度の高まり                
5)採算悪化を克服するコストダウンへの欲求               
6)仕事のアジア流出阻止                        



6.テキスタイルインクジェットシステム                 
 このような状況下で、インクジェットプリンタの印刷速度向上が続き、従来手法
に代わってシェアを拡大している。100m以下のサンプル印刷は、すでにインクジェ
ットに移ってきている。テキスタイル用スクリーン印刷機メーカーAprion社は、自
社の高速システムで1000m以下の仕事までをインクジェットに取り込もうとしている
(従来スクリーン印刷のダウンタイムを考慮した印刷速度10m/分。Aprion社高速シ
ステムは2m/分)。当社のユーザーは低価格システムによるコストダウンで、アパ
レルの仕事受注に成功した。                        

1)高速システム 数千万円? 〜 億?                   
   DreAMプリンタ(Ciba,Reggiani,AprionDigital) → 150平方m/時         
  2020型プリンタ(Dupon、セイコー、東伸工業)  → 52平方m/時           

2)低価格システム 260〜800万円                     
 Roland・DG FJ-540プリンタ 28平方m/時                
 ミマキ JV4,TX-2プリンタ                       
 武藤工業 RJ-8000プリンタ                       
 コニカ  ナッセンジャー                       


3)前後処理機                             
 昇華転写(輪転機 100〜1000万円、平台方式300〜800万円、真空方式500万円〜)
 スチーマ(400〜1000万円)                       
 洗浄機 (スチーマー・洗浄機一体型   EUR160,000?)          
 コーティング機                            

 RIMSLOW社(オーストラリア) 
インクジェット捺染用スチーマー steamx1850
スチーマ Steam-X1850 640万円
 インクジェット捺染用コーティング機 プリコートX
  コーティング機 Precoat-X 950万円
7.捺染システム導入のポイント                       7-1.分散染料による転写印刷                       1)品質                                  印刷画素のざらつきを抑えるならライト系インクまで使える色数,高解像度。  色合わせを重視するなら、カラーマネジメント能力の高いRIP。        加工速度重視なら速いプリンタ。                      堅牢度では、耐洗濯性、耐光性の高いインク。                高い濃度なら、直接印刷。転写率の高い転写紙。              2)予算                                 業務用昇華転写システム                         プリンタ 100万円〜 300万円                       RIP 30万円〜 100万円                         熱処理機 100万円〜1000万円                      Tシャツなど小物昇華転写システム                      プリンタ 3万円〜25万円                         RIP 0万円〜20万円                           熱処理機 13万円〜50万円                                         INSTA Graphic社(米国) マニュアルプレス機械                  3)印刷コスト                               インク 華恵昇華インクカートリッジ入り 4,900円/200g           転写紙 薄手(130円/平方m)、厚手(180円/平方m)             転写素材                               7-2.染料を使った直接印刷                         1)構成                                  印刷システム(プリンタ、RIP、熱処理機)                  消耗資材(反応性、酸性染料、分散染料インク)              プリンタ 450万円〜数千万円                       RIP 35万円〜650万円                          コーター 900万円〜数千万円〜 100万円                  スチーマ 400万円〜                           洗浄機 450万円〜数千万円                      7-3.顔料を使った直接印刷                          現在までのテストでは目詰まりが出て、720dpiの解像度で印刷できるピエゾヘ ッドを使用するのは難しいと判断した。熱がかかるためか、サーマルプリンタは 300dpiでも目詰まりが激しい。次の可能性は、360dpiまでのピエゾヘッドプリ ンタ。                                   印刷システム(プリンタ、RIP、コーター、スチーマ、洗浄機)         消耗資材(顔料捺染インク)                        プリンタ   万円〜  万円                        RIP 35万円〜650万円                           熱処理機 100万円〜1000万円                        
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