顔料レジンインク + フラットベッドプリンタによる、Tシャツ直接印刷 システム特長のご紹介です。 昇華転写や他の各種印刷手法との比較も。 ***************************************************************** 1. 市場の将来性 アパレルを取り巻く環境は依然厳しいようですが、一方では、「キャラクター アパレルが広がり出した」というニュースも流れています。背景には、「消費者 は、本当に欲しいもの、必要なものしか買わない」という時代の流れがあるよう です。このような時代に売上を伸ばすには、ニーズの多様化・個性化に対応する しかありません。印刷手法として、デジタル印刷手法の採用が増える理由です。 中でも注目を浴びているのが、フラットベッドプリンタです。デジタル印刷の 特長(無製版なので短納期、製版コスト0円)に加えて、前処理の無い素材に印 刷・密着する顔料レジンインクが登場したからです。本レポートは、各種印刷手 法と当社のNF-4000システムを比較しながら Tシャツ印刷業の採算性などをご紹 介をさせていただきます。 2. インクジェット直接印刷の長所 2-1. 従来手法との違い Tシャツ印刷は現在も従来手法が中心です。多くはスクリーン印刷で行われて います。大量加工の場合には、オフセット転写印刷も活躍します。それ以外の部 分をデジタル印刷が担当しています。数の少ないもの、納期の短いもの、写真画 像などフルカラー印刷が必要なものなどはデジタル印刷が最適です。 デジタル印刷の中には、レーザープリンタ・カラーコピーの転写印刷、インク ジェット転写印刷、溶融型プリンタ転写印刷などがあります。しかし、これら転 写印刷は、色材と一緒に樹脂フィルムがTシャツの上に転写されます。フィルム は画像のない部分にも付着し、素材感が変わり(ごわごわ硬くなる)、通気性も 悪くなります。ニーズの多様化・個性化が進んでも、デジタル印刷が伸び悩む理 由になっていました。 昇華インクの転写なら風合いは変わりませんが、この場合は素材がポリエステ ルに限定されます。Tシャツ素材は綿が圧倒的です。フラットベッドプリンタの 登場で、初めて前述した欠点が除去され、デジタル印刷による綿Tシャツへの直 接印刷が可能になりました。 2-2. 他デジタル印刷との違い (1)生地風合いが変わらない 直接印刷なら、他の転写方式のような顔料固着用の樹脂フィルムを必要としま せん。インクだけがTシャツに付着します。顔料レジンインクはインク中に樹脂 を含んでおり 印刷後の熱処理で硬化して素材に顔料をしっかりと固着させます。 風合いも通気性も印刷前と殆ど変わりません。 (2)耐久力 転写印刷で表面に付着する樹脂フィルムと異なり、直接印刷されたインクはT シャツ内部に入り込みます。印刷後の熱処理によって、素材にしっかり固着しま す。転写印刷より高い耐洗濯性が期待できます。昇華インクとの比較では、色素 が顔料なので2〜3倍の耐光性があります。ただし、顔料レジンインクは、引っ かきに弱いという欠点があります。この欠点をカバーするためには、洗濯の際に 裏返しにして洗うことが有効です。 (3)印刷コスト カラーコピー、レーザープリンタの転写紙はA4サイズで75円程度です。この他 にプリント代(A4サイズ1枚、10円〜20円)が掛かり、合わせると85円〜95円に なります。インクジェット顔料インク用転写紙も、A4サイズで90円程度です。 直接印刷なら転写紙が要りません。 消耗品はインク(当社Heatset-S顔料レジン インクの場合 A4サイズ10円〜12円)だけです。大きなコスト差を付けられます。 3. 当社 NF-4000システムの競争力 3-1.システム構成 下記のような要素から成ります。NF-4000プリンタを導入して、初めて印刷業に 参入する場合の設備への初期投資額は、210万円程度になります。
・ パソコン & スキャナー等 | 10〜30万円 |
・ NF-4000プリンタ (EPSON PX6000改造プリンタ) | |
・ ソフトウェアRIP (PosterPrint 19") NF-4000に同梱 | − |
・ インク自動補充装置 NF-4000に同梱 | − |
・ Insta社熱処理機 M-128 ※M-128は生産終了→ 現在はM-138となりました。 | 12.6万円 |
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計 210.6万円 (※PC&スキャナー 等を30万円とした場合。仕事によ っては、より低価格なPCやスキャ ナーで十分なこともあります。) |
・ Heatset-S顔料レジンインク 4色(CMYK) | 1色あたり24,600円/L |