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JET NEWS 第5号




特集 インクジェット捺染  システムを徹底解説!


インタビュー/株式会社エムワイ 代表取締役社長 森山真樹 氏


半透明ケースで安心 ピエゾインク用補充カートリッジ


インクの耐光性より これからは素材+ラミの耐久性



特集 インクジェット捺染 



1.インクジェットじゃない?

 ほどよい間隔で吊り下げられているいくつもの宣伝幕。売場を華麗に演出 しています。通り過ぎて振り返ってみると、裏側からも逆像がくっきり見え て驚かされた。こんな出力物を有名デパートの店内あるいは店頭で見かけた ことはありませんか?                          インクジェットじゃない?いいえ、インクジェットです。たしかに、通常 の染料インクで、あるいは顔料インクで印刷すると、薄い布でも裏側は白っ ぽくなってしまいます。けれども、インクジェット直接捺染なら、画像は裏 側からもくっきりと見えるんです。                  

2.出力物は布だけじゃない!

 小物はマウスパッドやタイルから、大きな物はバスマットや建築合板、鋼 板まで。インクジェットプリンタに直接通せない厚ものでも、プレス機を使 った転写捺染なら印刷できます。しかも仕上がりは耐水性で、耐光性も十分 です。                                写真 転写ボードサンプル

3.システム構成

(1)プリンタ                               捺染用プリンタとしては、サーマルプリンタも使用できますが、インクを 吹き出すときにノズル部を加熱しないピエゾプリンタがより適しています。 Roland FJ、ミマキJV2、武藤工業 RJ、ENCAD社 NOVAJETシリーズプリンタな どが使用できる代表的なプリンタです。                 (2)熱処理機                               印刷後にインクを発色・浸透させるために用います。熱処理するとそれま でくすんでいた捺染インクが驚くような鮮やかな色に変身します。転写なら そのままで、直接印刷なら最後に水洗い・乾燥して完成です。        長尺布物がメインなら輪転式熱転写装置を、布だけでなく板ものまで転写 したいなら平台熱転写プレス機をご用意致しました。           写真 輪転式熱転写装置 NIAGARA R-1800 挿入可能幅 1500mm (3)消耗資材                               HANAE捺染インクは、CMYK4色セットのほか、CMYK+オレンジ+ブルーの6 色セット又は CMYK+LC、LMの6色セットが用意されています。HANAEインクは もちろん直接印刷に使えますが、転写紙を介しての熱転写印刷もできます。又、 べた文字主体であれば、べた刷り転写色紙を用意してあります。カッティング した文字をベース紙に配置して転写して下さい。スクリーン印刷よりも安く仕 上がります。                              写真 平台熱転写プレス機 M1600 転写面積 127 cm x 254 cm (4)出力素材                               HANAE捺染インクはポリエステル、ナイロン、アセテートなど合成繊維用イ ンクです。布は、特殊コーティングを施した直接印刷用布と何も塗っていない 転写用布があります。直接印刷は色がよく裏側に抜け、両面からくっきりと画 像を見ることができます。転写用布は比較すると低価格です。その外の素材と しては、ビニール、ポリエステル、不織布、塗装鋼板、塗装磁器などが挙げら れます。                                (5)リップ                                捺染印刷にかかわらず、出力会社は原稿に忠実な色で出力しなければなりま せん。このような時に威力を発揮するのは、カラーマネジメント機能の充実し たリップです。ErgoSoft社のPosterPrintなら安心です。さらに、6色印刷の 際にオレンジとブルーを用いてより鮮やかな出力で差を付けたいならTexPrint があります。通常の6色用リップでは不可能なオレンジとブルーの組み合わせ にも対応できるリップです。                      



インタビュー

株式会社エムワイ 
代表取締役社長
森山真樹 氏

社長顔写真


御社はインクジェットプリンターだけでなく、特注で作らせたレー ザーカッティングプロッタもお持ちになっていらっしゃるんですね。

森山社長 はい。プラスチックや木材の切り文字ができます。看板屋さんの 下請け的な仕事をしています。高価なもので、同じようなものを持っている ところが少ないので仕事が入ってくるんですね。            

インクジェットはどのような出力を主にされていらっしゃるんですか?

森山社長 いろいろありますが、一番多く使っているのは紙素材ですね。懸 垂幕なんかもありますよ。地方は何でも請けてやらないと。仕事の絶対量が 少ないですからね。                         

出力から看板施工まで、全部請けられる訳ですね。何でも といえば、社長は、電気にも詳しいようですか?    

森山社長 以前、日立に勤めていて、大型コンピュータの納入を担当してい たんですよ。高圧電気工事士の免許も持ってますよ。          

そうだったんですか。それなら、配線工事もご自身で おやりになるのも当然ですね。ですけど、どうして、電気から サイン業界に移られたのですか?             

森山社長 知り合いの方が広告代理店を始められて、印刷の方をやらないか と誘われました。お世話になった方だったので、お手伝いさせて頂くことに した訳です。もう10年以上前になりますね。              

それだけ長くお付き合いができるということは、人間的な 関係だけでなく、仕事でもしっかりしたものを納品してきたという ことでしょうね。                       

森山社長 そう思いますね。納期を守るのはもちろん、できるだけご良いも のを納めるよう心がけて来ました。例えば、今回20m程度の垂れ幕を印刷した んですが、つなぎめ無く出力してあげたいなと思うんです。       

20mの垂れ幕をつなぎ目無しですか!普通の会社なら、途中で印刷不良 を出す可能性がありますから、安全を見ていくつかに分けますよね。

森山社長 そうでしょうね。私の場合は、1枚で仕上げた方が喜んでくれる だろうなと思ってしまう(笑い)。                   写真 HANAE昇華インク

お客様の立場で考えていらっしゃるんですね。今回、捺染システム を導入されたのも同じ考え方によるんでしょうね。         

森山社長 屋外で安心して使ってもらいたいと思いましてね。捺染印刷した 布なら、台風が来ても大丈夫ですからね。それと、今後はFIRSTビニルを使っ て、長期屋外用看板を作って行きたいですね。              

新しい物に取り組むのと他社に先行できますが、 受け入れてもらうのが大変なのではないですか?

森山社長 今、サンプルを配って、どのようなものか理解してもらうように しています。その意味では、福岡地区でもあと1、2社捺染を始めるところ が出た方がいいと思っています。デザインを担当する人達の理解が進みます からね。1、2年先を楽しみにがんばりますよ。            

ぜひ、がんばってください。本日はどうも ありがとうございました。       

写真 ポリメリック機 挿入可能幅 1300mm

顔料での印刷はもちろん、捺染印刷にも使用可能

ピエゾインク用補充カートリッジ

写真  「しまった!インクが無い!!」                    午後遅くなってからのインク切れの表示。迫る納期。業者に電話して頼ん でも、出荷してくれるという返事は期待薄。朝のうちにチェックをしていた らと後悔してもどうすることもできません。こんな経験を一度でもしたら、 あなたも虜になります、インク補充カートリッジ(半透明)。インク残量が、 いつでも見えるからです。                        インク補充カートリッジは、中の見える半透明カートリッジです。インク は最大300ccまで入ります。通常はインクが乾かないようキャップを絞めて おきます。インクが減ってきたらキャップを取り、じょうろをその穴に差し、 インクを上から流し込むだけ。                      標準カートリッジでは、インク切れが恐いので、インクを全部使い切る前 に交換してしまいます。残りのインクは捨ててしまう訳です。補充カートリッ ジの場合は、どんどん継ぎ足して使うので捨てるインクがありません。出力 コストの節約ができます。                        捺染インクにも、DICO-JET社のロングライフインクにも使えます。適用プ リンタは、カートリッジを水平に差し込んで使用するピエゾタイププリンタ。 PM9000Cのようにカートリッジを傾けてセットするものには使えませんが、例 えばRoland FJ シリーズ、Mimaki JV2-1300、武藤工業 RJシリーズ、EPSON MJ8000Cプリンタなどで利用できます。                   さあ、あなたもインク補充カートリッジを使用して、安心とコストダウン を手に入れて下さい。                        

アドバイスギャルの とく情報

gal

インクの耐光性より これからは素材+ラミの耐久性

 ハ〜イ、みなさんごぶさたー。久々、アドバイスギャルですよう。今日は 屋外用出力物の注意点について講義しちゃおうかなと思います。       今年は200年インクが出たので、来年あたりには500年インクも出てくるの かな。でもこれって、屋内の話ですよね。屋外の耐光性はこの半分?それとも 1/10位?いろいろな憶測が出てるけど、本当のところ、一緒に考えてみましょ うね。                                 1.インクの耐光性                            耐光性の国際規格には、BWS(ブルーウールスケール)というのがある んですよ。1〜8の段階があって通常は、染料インクは2〜3に、顔料インク は4〜6にされます。ワンランク上がる毎に、耐光性は倍強いことになってい ます。ただし6から7の段階は6.5という中間を設けて耐光性差は4倍。6は 顔料インクの限界のようで、カプセル化したDICO-JET社のロングライフインク のような特殊インクが7にランクされている位。それでも屋外2年を保障する のは冒険ですって。将来、500年インクが出ても、耐光性データを伴わないもの は「?」ですね。                            2.素材の耐光性                             これって重要なんですよね。確かめるには、素材を屋外で太陽に向けて置 いて見てください。弱いものは3ヶ月もすると、コーティングがただの粉にな るんですよ。私も指で撫でてみたんですけど、小麦粉のようにサラーと取れま したよ。コーティングがもたなければ、インクも一緒に落ちちゃうということ ですね。合成紙や不織布も要注意。素材そのものが短期で駄目になるものが多 いんです。                               3.最後にラミネート                           ですから、インクが強くなると素材を守ることの方が重要になってくるんで す。そのためにはラミネートがありますよね。問題はこのラミネートのはがれ。 四隅をカットしたり、穴を開けたりすると、そこから水なんかが入ってきて、 ラミネートフィルムが剥がれてくるんです。「必ずシールしろ」というのは、 このためなんですね。フィルムと素材の相性は、ラミネートした後、水に沈め て置けば分かります。一週間もしないうちに、たいていの素材は、カットした 横から水が入ってきます。皆さん、ラミネートフィルムが剥がれる素材には要 注意ですよー。                             JET NEWS 第5号 終了


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