昇華捺染転写等の技術資料
技術的な問合せ Q&A
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マグカップ転写
Q: どのマグカップでも転写できますか?
A: いいえ。昇華用のコーティングがしてあるものにしかできません。
一般に販売されているマグカップにはこのコーティングがされていないので転写は
できません。
Q: 何があればマグカップ転写ができますか?
A: 昇華システム(インク・転写紙・補充システム)、昇華用マグカップ、耐熱テー
プ、クランプ or マグプレス機があれば、始められます。
Q: クランプとマグプレス機どちらが良いですか?
A: どちらも同等レベルの品質の昇華マグカップを作製できます。クランプは、初
期投資額が安く、広い面積に転写ができます。マグプレス機は、場所を取らず、少
ない電力(W)で作業できます。
Q: 耐熱テープは何に使うのですか?耐熱テープじゃないとダメですか? セロハ
ンテープだと問題がありますか?
A: 印刷した転写紙をマグカップに固定するために使います。 マグカップの形状
から、テープで固定しないと転写紙がずれてしまいます。
耐熱テープをご使用下さい。200℃以上の高温に耐えられる必要があります。セロ
ハンテープだと、テープ自体が溶けてしまったり糊がマグカップに残ってしまう事
があります。
Q: 転写してみたけど、うまくいかなかった。どうしたら良いのか?
A: どのような問題が起きているかによって対処方法が変わってきます。
弊社までご連絡いただき、現象をお伝え下さい。
Q: 転写したマグカップって、電子レンジに使えるの?
A:はい、使えます。
Q: 転写したマグカップって、オーブンには使えるの?
A: いいえ、オーブンのような高温下においては使用できません。
Q: 転写したマグカップって、食洗機には使えるの?
A: 基本的には、ご使用いただかないようお願いしています。問題がない食洗機と
洗剤もありますが、使用環境によっては画像が薄くなったり汚れたりすることがあ
ります。
トナー転写紙全般
Q: たくさん種類があって、どれを使ったら良いかわからない。
A:布用だけでも4種類ご用意しています。
TS→淡色布用。低価格。作業時間が短い。どの画像にも対応。
TC→淡色布用。カット無しで画像部分のみ転写。グラデーション、写真は不向き。
TB→濃色布用。柔らかいフィルム、洗濯に強い。カット可。
TL→濃色布用。低価格。バッグなど素材がしっかりしているもの向け。カット可。
転写する素材(綿・ポリ・ナイロン)、素材の色(白色、濃色)によって大きく分れ
さらに求める性能で選べるようになっています。ぜひ弊社に、ご相談ください。
Q: トナー転写は初めてです。初心者にもできますか?
A: 他の印刷方法に比べると、初心者にもやりやすい転写方法になります。印刷自
体は、普通紙に印刷するのとほぼ同じで、色あわせの技術もいりません。転写には
若干のコツは要りますが、これは初心者でも経験者でも同じ様に習得可能です。
Q: プレス機を持っていません。トナー転写は無理ですか?
A: 濃色布向けのTB、TLであればアイロンでも転写は可能です。十分に力を入れて
押し付ければ強度も得られます。しかし、安定して作業ができ、十分な洗濯強度
を得るためにはプレス機が必要になります。淡色布向けは、アイロンでの転写は
できません。
Q: レーザープリンタを持っていない。何を購入したら良いか?
A: 動作確認済みプリンタで○が付いているプリンタが良いと思います。しかし、
現在購入できないプリンタもあります。最新情報については、弊社までお問い合
わせ下さい。
Q: 印刷したら詰まっちゃった。どうしたら良いか?
A: ほとんどのプリンタはメンテナンスとして、用紙の取り除き方法がマニュアル
に記載されています。それにしたがって紙を取り除いてください。無理に引っ張っ
たり、内部のロールを押し付けるようなことはしないで下さい。
Q: 印刷していたらプリンタが壊れてしまった。弁償してくれ。
A: できません。このサイトや、マニュアル等に記載されている通り、弊社のトナ
ー転写紙の印刷は、お客様の自己責任で印刷を行ってもらっております。純正の
用紙でないため、プリンタメーカー側からも保証は受けられません。弊社でも、
保証はできませんのでご理解の上で、印刷を行なってください。
Q: もう少しで印刷できそうなんだけど。。。どうにかならないか?
A: 少し擦ってしまう、印刷できたけどすぐにトナーが取れてしまうなどの場合、
その状況によっては改善が可能な場合があります。弊社までご連絡いただき、状
況を説明して下さい。
Q: Tシャツなどの布以外のものに転写をしたい。どの転写紙が良い?
A: 皮革向け、木材、コーティング布向け、陶器・耐熱性の低いもの向けなど、布
以外に転写できるものも扱っております。実際に転写したいものをご連絡いただ
き、ご相談下さい。
昇華転写とは
Q: 昇華転写って何ですか?
A: 分散染料インク(昇華インク)を、インクジェットプリンタで転写紙に印字しま
す。その転写紙と、プリントしたい素材を合わせて転写機で加熱・加圧します。
加熱することで気化した昇華インクが化学繊維の分子構造に入り込み、染色する
仕組みのことを昇華転写と言います。
Q: 昇華転写のメリットは?
A: なんといっても鮮やかな発色です。再現性も高く高画質プリントが可能です。
また、非常に(洗濯)強度が強いです。転写作業と同じ環境(高温、高圧下)になら
なければ、色落ちがほとんどありません。化学繊維に染みこむという方法なので
特に衣類関係では風合いが全く変わらない事も大きなメリットになります。
スクリーン印刷などで使う『版』は必要なく、多品種小ロットにも対応しやすい
です。
Q: 逆に昇華転写のデメリットは?
A: 素材が限定されることです。
化学繊維(ポリエステル等)や樹脂でないと転写ができません。天然繊維(綿・絹
等)には転写ができません。同じように陶器や金属類も、昇華専用のコーティン
グがしていないと転写ができません。
また、多くの場合は白色・淡色の素材でないと見栄えが悪くなってしまいます。
濃色のTシャツ、マグカップなどには転写できません。金属板など、一部素材の
色を活かした転写は可能です。
Q: どういう所で昇華転写は使われていますか?
A: スポーツウェア関連。オリジナルグッズ、ノベルティグッズ。のぼり旗、電飾
看板などたくさんの場所で使われています。
Q: 初心者でもできますか?
A: 弊社で取り扱っているもう1つの転写方法の、トナー転写に比べると、やや難
しいです。色合わせの必要性も出てきます。しかし経験者しかできないという事
ではありません。弊社のお客様の中には初心者の方も多くいます。昇華転写、色
合わせについて理解しようと思う気があれば大丈夫だと思います。
Q: 昇華転写を始めるには何が必要ですか?
A: 技術解説のページに、プリンタサイズごとに必要なものを載せています。そち
らのシステム構成を参考にして下さい
大型プリンタ用 中型プリンタ用(A2) 小型プリンタ用(A3)
その他
絹に印刷したいです。
Q: 現在エプソン小型プリンターを使って絹にプリントしていますがエプソンの純
正顔料インクでは、洗濯で落ちてしまい困っています。酸性染料か反応性染料がい
いのでしょうか?
A: 酸性染料での印刷のためには にじみ防止のための前処理と印刷後のスチーム処
理が必要になり大変です。
当社の「Heatset-S(捺染顔料インク)」はどうでしょうか? 170℃で5分程度の
加熱処理で洗濯もできるようになります。
昇華関連 他社の昇華インク使ってます。小型転写グッズに興味が
あります。
A: 小型転写グッズはすべてポリエステル/コーティング相当品であり、昇華イ
ンクに対応しています。(弊社の昇華インクで確認しています。他社の昇華インクで
の確認まではしておりません)
お持ちの転写機の形状もあわせてご検討ください。例えばマグカップや皿は、対応
した転写機でないと転写できません。転写機に挟める "厚み" もわかりましたら教
えてください。額やタイルは厚物用転写機でないと転写できないことがあります。
紙送りのローラーの跡がつき白くドット抜けします。
A: 多くの小型EPSONプリンタは、分解して排紙ローラーを取り除く作業が必要
です。紙は奥のローラーが送り出すので、排紙ローラーは不要です。
HANAEインクはインク詰まりはよくありますか?
Q: 以前使っていたインクはインク詰まりを起こし毎年修理(インクヘッドの掃
除)に出していました。HANAEインクはどうですか?
A: インクが詰まる原因はいくつか考えられます。
弊社のお客様で MJ8000やPX6000等でHANAEインクが詰まったというのはあまり聞
きません。 ただ、使い方やインクにもよると思います。
詰まったまましばらく放置するのと、詰まったのをクリーニングしてからしばらく
放置するのでは かなり違いますし、使用頻度にもよります。→使わないときも、
定期的にクリーニングをするほうがいいです。
弊社のHANAEインクの保証期間は3ヶ月です。弊社インクでも使わずに6ヶ月以上入
れっぱなししたりすれば、固まってしまい詰まることがあります。(昇華転写イン
クは その特性上 基本的にあまり長期間持ちません。)
昇華関連 転写紙には保証期間はありますか?
Q: 昇華インクは保証期間3ヶ月ということですが、昇華転写紙には保証期間
はありますか? またどのように保存しておくのがベストですか?
A: 昇華転写紙の保証期間は、未開封の状態で1年です。
転写紙を含めて、紙や布は湿気に弱い素材です。日本は特に湿気が高いので、転写
紙にとって良い環境ではありません。転写紙を梱包箱から出すと同時に湿気の影響
は避けられず、徐々に性能が劣化します。
このため、可能であれば、印刷が終わったら乾燥剤と共に密閉袋に保存するのがベ
ストです。このように保存した場合でも、出来るだけ早く使い切って下さい。
昇華関連 小型プリンタで昇華インクとepson純正インクを併用
できますか?
A: 物理的には可能です。チューブ内のインクがすべて入れ替われば、それぞれ
使用できます。
しかし、そのためには ベタ印刷を かなりの枚数繰り返す必要があります。
(色が変わったと 目視で判断します。)このため 実用上は お奨めできません。
昇華関連 綿や絹、ポリエステル全部に昇華転写したいです。
あと、Tシャツの下地の色も生かせますか?
A: 綿や絹へ転写するには それぞれまた別のインクが必要で、インクによっては
スチーマーなどの設備も必要です。昇華インクを使ったポリエステル生地への転写
よりも 大きな設備投資が必要になることがあります。弊社サイトに 解説文や説明
ビデオがありますので、ご参照ください。
昇華転写なら 転写されるのは画像部分のみですので下地を生かすことはできます。
ただし、逆に白以外の下地ですとその色の影響も受けることになります。 (通常は
白いTシャツへ転写します)
また、昇華インクはポリエステル生地への転写となります。Tシャツの場合も 転写
面がポリエステル生地になっているものが必要です。
小型転写機の最高圧力と調整できる温度範囲は、どれくらいで
しょうか? Tシャツ用熱プレス機を探してます。
A: 温度は 160℃〜200℃で使用されています。(さらに低くすることもできますが
通常の転写印刷への使用では この範囲です)
圧力は 布地等への転写に十分な範囲で調整できます。(最高圧力等の数値データは
公表されていません)
insta社は 世界でトップシェアのメーカーです。国外/国内で既に 多数の販売実績
があり、圧力が問題になることはないと判断しています。
直接印刷と転写印刷について詳しく教えてください。
A: 直接印刷と転写印刷の工程と使用資材は以下のとおりです。
直接印刷:HANAEインクで 直接印刷用素材へ印刷 → 加熱発色処理 → 洗浄処理
(通常は必ず洗浄処理が必要。素材にインク受理層が必要なので転写用素材より素
材価格は高め)
転写印刷:HANAEインクで、転写紙へ印刷 → 転写用素材へ熱転写(まず転写紙へ
印刷して、昇華転写用素材へ転写します)
さらに詳細な説明は別の技術資料をご参照ください。
昇華関連 高耐光昇華インクと通常の昇華インクの耐光性
の差はどれぐらいあるのですか?
A: 2倍以上の差があります。→ HANAE-D は耐光性国際規格 BWS(ブルー・
ウール・スケール)で、一般顔料インク同等のレベル5,6にランク。耐光性を高
めたHANAE-IIIインクは社内テストでの確認ですが、BWS7にランクされてい
ます。
昇華関連 転写紙の薄手と厚手がありますが、どういう
用途で使い分けしたらいいのでしょうか?
A: インク量が多いベタなどを多用する場合、厚手を使います。転写紙は 紙
なのでインクを多量に塗布すると 一時的にふにゃふにゃになるからです。厚手
ならそれが抑えられます。 ベタでない場合はコストの安い薄手を使用します。
昇華関連 昇華転写の方法では、綿100%のものは印刷
できないでしょうか。
A: 昇華転写用(直接印刷も可)のフロッキー転写紙を使用すれば可能です。
画像の受像膜転写シートを用いても可能になりますが、この商品は現在開発
中です。
昇華関連 ポリエステル・綿混紡のものでは昇華転写は、
可能でしょうか。
A: 綿が30%まで混じったもののTシャツは、実際に昇華転写され販売さ
れているようです。
トナー転写関連 コピー転写紙の場合は、綿100%でも、
ポリエステル・綿混紡でも転写可能ですか?
A: コピー転写紙は、剥離紙の上に塗った樹脂フィルム層が顔料と一緒
に布に転写されます。従って綿であってもトナーと樹脂が接着します
。混紡も同様な理由から転写可能です。
昇華転写との違いは、耐洗濯性が昇華転写ほど無いこと、発色が昇
華染料ほど鮮やかでない、素材に樹脂が付着するので異物感(ごわご
わ感)が残るなどです。
転写用布のメーター売りはしていただけるのでしょうか?
A: 申し訳ありませんが1本単位の販売のみとなっております。
ものによってはA4程度のサンプルをお出しできるものもありますので、
資材部にお問合せください。
昇華転写紙をアルプスのプリンタ(インクリボン方式)
で使えませんか?
A: インクリボン方式でプリントということなので、溶融型顔料か
溶融型昇華転写と思います。結論として、両方ともうまく行きませ
ん。当社昇華転写紙は、その上に乗った樹脂分を転写する性質が無
く、又昇華色素を浸透させる受容層膜も無いからです。
屋外で最低10年は消えない昇華転写は可能ですか?
A: 屋外で最低10年消えないもの というのを 従来の手法で行うの
は大変困難だと思います。弊社の高耐候型の昇華インクを使っても
他社の高耐候型の溶剤型インク等を使用しても、普通は無理です。
フッ素コーティングをすれば もしかしたら 持つかもしれませんが
弊社では コーティング剤は取り扱っていません。
2018年追記:屋外で超長期対候性が期待できる Decoral熱転写システムをご検討ください →
Decoral System社 紹介 (カタログ、熱処理機、亜熱帯で天然耐候性試験の情報も)
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